2009年4月23日木曜日

ゴールトベルク変奏曲

バッハのパトロンが不眠症に悩み、睡眠薬代りの音楽を。と、オーダーして作曲されたのが本作品。細かい事はネットに沢山紹介されている筈ですので、適宜お調べになって下さい。下にご紹介する演奏家は特に本作品の奏者としては好きな人。チューブでもグールドをアップする人は沢山いるはずだけど、シフは珍しい。チューブにアップした人、偉い!です。

グールド以外でテクニック的に本曲をこなしていると思われる奏者としては、個人的にはA.Gavrilovか。他にいるぞって人は教えて下さい。

初めてシフの演奏に(動画ではなくて)接した人で自らもピアノを嗜む人なら、恐らくテクニック的には自分にだってこれ位弾けるぞと感じるかも知れません。Goldberg Variation by Schiffの22:40の演奏は一見して音大生くらいのレベルなら軽くクリア出来そうに思うけれど、いや多分この曲を弾けるスキルの人はフツウにグールドっぽく弾こうとすれば弾けない事もないのだろうけれど、何というか「小さく」弾く事は難しい。

パッと聴き、凄く易しく聞こえる演奏は、実は奏者の腕が滅茶苦茶凄かったりする。ゆったりと聞こえて、演奏時間を比較すると、ささッとこなす人と然程変わらない場合がある。だからケンプやペライアのバッハは侮れないし、自分にとっては聴いてて畏れ多い。

どうしても、能書きが長くなってしまうので、この事については次回。とはいえ何にせよ、演奏家は作曲家のシートを代弁しているに過ぎない。私の宗教で言えば「本迹相違あるべからず」だ。クラシック音楽に於いては、作曲家は既にこの世にいない。しかし演奏家は彼等先人から受け継いだ哲学を、生命をかけて現代に再現しようとする。そして音楽が個人の人生に何を及ぼし、音楽があった事で人生がどのように素晴しくなったのかが大事なのだ。


個人的に存命中では最も尊敬するアーティストの一人。

続編。ユダヤ人演奏家の音楽性にはいつも舌を巻かされる。

最早古典の部類に入ったと言って良い、グールドのGoldberg Variation。テクニックの桁が違う。

デビュー版の50年代よりも個人的には最晩年にヤマハで録った方が好き。アリアと第一変奏はデビュー版と全く異なる。

コンサートから足を洗う事で、寧ろパブリックとの共感を増せると本人が説明した理由が分る。

おまけ。フーガに入る直前の所作が彼らしくて何ともいえない。

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